ニセ鬼太郎
第５話 ニセ鬼太郎
原作：『地獄の散歩道』
登場妖怪：ニセ鬼太郎
ニセ鬼太郎に殺された形となった寝子を、目玉おやじは不憫に思います。目玉おやじは、地獄から寝子の魂を連れ帰ろうと鬼太郎に提案します。そこで初めて、２人は鬼太郎のちゃんちゃんこがすり替えられていることに気づきます。
その頃、ねずみ男はテレビで「死後の世界はあるか」という討論番組に出演し、ニセ鬼太郎が持ってくるはずの地獄の砂を待っていました。
ねずみ男とニセ鬼太郎の計画は、鬼太郎のちゃんちゃんこを着て地獄へ行き砂を持ち帰り、それをネタに金儲けをしようというものだったのです。
ところが、ニセ鬼太郎は地獄で道に迷っていたのです。
ちゃんちゃんこがないため地獄へ行けない鬼太郎を残し、目玉おやじは１人で地獄へやってきます。そこでニセ鬼太郎を捕まえ、寝子の元へ向かいます。
目玉おやじは、寝子に現世へ戻れることを伝えますが、寝子はその申し出を断ってしまいます。
目玉おやじは、ニセ鬼太郎を連れて地上へ戻ります。目玉おやじは、鬼太郎に寝子のことを伝えます。しかし、寝子のことが大好きな鬼太郎は、どうしても納得できません。
鬼太郎は、寝子を説得するために地獄へ向かいます。
寝子は、テレビで醜態をさらしてしまった人間界に、自分の居場所がないことを悟っていました。寝子は、地獄で猫娘として生きていくことを決めたのです。
鬼太郎は、寝子が住む家の扉を泣きながら叩きます。しかし、鬼太郎と会って決心が鈍ることを怖れた寝子は、そのまま鬼太郎を無視するのでした。
ほぼ原作どおりですが、いつ見ても救われないストーリーで涙が出てしまいます。
寝子は、「もう猫娘として生きていくと決めたのです」と、人間界への未練を断ち切ります。でも、また一緒に生活したい鬼太郎の叫びに涙を流して耐えるのです。
本当は、人間として生き返りたいのですが、化け猫として人間界では暮らせないことを、寝子は知っているのです。
鬼太郎は、まだ子供なのです。寝子の気持ちが理解できないまま、それでも寝子とは別れなければならない現実を受け入れなければなりません。鬼太郎は、ここで初めて死の悲しみを味わうことになったのです。
また、人間として成長していくのです。
