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ミズキ ゲジゲジ

巻物の怪

巻物の怪

「巻物の怪」、「奇妙なプレゼント」、「離魂術」、「不思議町三番地」、「魔界の椅子」、「とかげ」、「さなぎ」、「死声」、「怪骨」、「べとべとさん」。
以上10作の短編集です。「巻物の怪」とか、「怪骨」はけっこう有名ですね。色んなところに出典されてます。
「べとべとさん」は意外に見当たらないです。
怖い話を集めたみたいな感じです。きりぎりすに食い殺される「死声」は、リアリティも手伝ってかなり怖いです。「べとべとさん」は絵が怖いです。
この本も、他のサンコミックと同じように水木色でいっぱいです。

ヤモリビトpoints!

巻物の怪

「不思議町三番地」で、サラリーマン山田とタクシーの運ちゃんが、ある夜、死の世界へ迷い込んだときに、そこの住人から説明を受けているシーン。
なんと、「生は更にあの世でつづくらしいぜ」
「すると、無限に我々は働くことになるのですかい」ということ。
これにはビックリしました。それまで、あの世をこんな捉え方で描いている本は見たことがありませんでした。
死んでからも働かなくてはならないのですから(しかも永遠に!)、逆転の発想ですよね。でも、多分、これも働き過ぎの現代を皮肉った水木せんせいのアイロニーでしょう。
他9話の短編と、ちょっと趣向が違っていて、よく憶えています。


初版:1981年
出版社: 朝日ソノラマ

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