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ミズキ ゲジゲジ

落第王

落第王

「落第王」、「にがい朝食」、「街の詩人たち」、「突撃! 悪魔くん」、「残暑」、「漫画狂の詩」、「招かれた三人」の7話収録です。
ここに集められているのは、水木せんせいの体験談だったたり、水木せんせい自身の投影だったりの物語ばかりです。
戦争の話とか、貸本時代の話とか、貧乏時代の頃の話とか、実際に経験してきた話なので、どれも説得力があって読み応えがあります。
やっぱり人間、色んなことを経験すると強くなります。そんな作風ではないのに、元気にしてくれる本だと思います。

ヤモリビトpoints!

落第王

これは貸本時代の頃ですかね。
偶然であった作家仲間に「まだ生きてたんですか」と、再会を懐かしむ余裕などなかったんですね。「ほんとにおたがいに…」と答える仲間も、なんだか切なくさせます。
そしてもうひとつ。
「千円かせごうとおもったらなんページ分かかなきゃならんとおもいます」
金を稼ぐことの難しさを知らない人間っていつの時代にもいるんです。努力しても稼げないことを知らない人間は、1回の挫折で負けてしまいます。そういう負の経験って、絶対に必要だと思います。


初版:1981年9月30日
出版社: 朝日ソノラマ

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